「AND回路」および「OR回路」については理解していただけたかと思います。
ここでは、ラダー回路ではポピュラーな「自己保持回路」について説明します。
先ほどから頻繁に出てくる「Y00(ランプ0)」のコイルですが、接点としても使用することができます。
しかも、「PLC/ラダー回路の基本1 ラダー回路の概要、A接点・B接点について」で説明しましたが、その接点の使用数の制限はありません。
つまり、ハード回路で「接点が足りないからもう一つリレーを追加しなきゃ」という手間は
PLCのラダー回路では発生しません。
それでは、下の回路を見てください。

上記の回路のI/Oアドレスは、
入力
X00 スイッチ0
X01 スイッチ1
出力
Y00 ランプ0
という割り付けにします。
上記回路を運転後、X00(スイッチ0)とX01(スイッチ1)がOFFの場合

X01(スイッチ1)はB接点のためONしていますが、X00(スイッチ0)がONしていないため、回路としてはつながっていません。よって、Y00(ランプ0)は消灯したままです。
上記回路を運転後、X00(スイッチ0)のみONの場合

X00(スイッチ0)がONし、X01(スイッチ1)はB接点でONしてないので全ての回路がつながりY00(ランプ0)は点灯しました。
Y00(ランプ0)の接点ONしました。これが自己保持回路のキモになります。
上記回路を運転後、X00(スイッチ0)のみON後、OFFした場合

X00(スイッチ0)はOFFしましたが、Y00(ランプ0)の接点がONしているため、Y00(ランプ0)はONしたままです。
このように、ONしたコイル自身の接点で自分のコイルのON状態を保持する回路を「自己保持回路」といいます。
「それじゃ、自己保持回路をOFFするときは?(上の回路だとY00(ランプ0)を消灯したいとき)というときのため、X01(スイッチ1)が存在します。
上記回路を運転後、X01(スイッチ1)がONの場合

X01(スイッチ1)がONしたのでY00(ランプ0)は消灯しました。
自己保持回路を三菱電機株式会社のシーケンサ編集ソフト「GX-Developper」にて編集した場合。
(画面をクリックすると拡大表示します。)

自己保持回路をオムロン株式会社のPLC編集ソフト「CX-Programmer」にて編集した場合。
(画面をクリックすると拡大表示します。)

自己保持回路をキーエンス株式会社のPLC編集ソフト「KV-STUDIO」にて編集した場合。
(画面をクリックすると拡大表示します。)

自己保持回路の動作が分かる簡単なシミュレーションです。
理解できるまでぜひ活用してください。

まとめ
・自己保持回路とは、「コイル自身の接点でON状態を保持する回路」